シェリー酒とは、スペイン・アンダルシア地方のへレス周辺で造られる白葡萄3品種のみ(辛口はパロミノ種ぶどう、甘口はペドロヒメネス種、モスカテル種)で造られるアルコール度15~22度の酒精強化ワイン(調整ブランデー添加)で、醸造中、フロール(酸膜酵母)が付いたかどうか、熟成(独特の熟成システム、ソレラ)はどうだったか等により種類が分かれます。

辛口のフィノから極甘口のペドロ・ヒメネスまで多様な種類があり、使用済の空樽はその風味の良さからウイスキーやラム酒の貯蔵熟成樽に再利用されています。

大きく分けて①辛口タイプ、②天然甘口タイプ、これらをブレンドした③甘口タイプの3カテゴリーがありますが近年注目されているのは辛口タイプのシェリーです。

洒落たグラスで一杯。目を閉じると、遠くからスペインのギター名曲が聞こえてきて、それはそれはアルハンブラ宮殿の王様、お姫様になったような気分にさせてくれます・・・ハイ。


【辛口シェリー】

Manzanilla マンサニーリャ

海に近いサンルカール・デ・バラメダの街で造られたフィノ。

フィノより更に繊細でフレッシュ。海の塩気を感じる味わい。

中でもパサダと名前が付くものは熟成が進んだ芳醇タイプ。

新鮮なシーフード、天ぷらと良く合います。パサダは肉類との相性が良い。


 Fino フィノ

酸膜酵母を使った熟成を経て造られるタイプ。

軽めで繊細なスタイルです。

リンゴやレモン、ハーブとシャンパーニュ、パンのような酵母のニュアンスが感じられます。

幅広い食事と合わせることが出来、特に生ハムや軽めのタパス(小皿料理)との相性が良いです。


Amontillado アモンティリャード

フィノを7年ほど熟成させ、まろやかな味わいに仕上げたもの。

クルミのような味わいがありフィノよりアルコール度数がやや高くフィノとオロロソの中間で酵母と酸化熟成の両方の複雑な香りが楽しめる。

チキンや赤身の魚など中間的な食材が良い。


Oloroso オロロソ

オロロソ(香り高い)という意。フロール(酸膜酵母)を発生させず酸化熟成させたもの。アルコール度数も17~21度のフルボディ。パンのような酵母の風味は一切なくクルミなどのナッツ類やコーヒー、カラメルのような香り。北京ダックのような香ばしく焼いたもの、煮込んだ肉料理、エスニック料理などに合います。

 


Palo Cortado パロ コルタド

複雑なワイン。ビターオレンジのような柑橘系の香りや、発酵バターのような乳製品のような香りが調和し、様々なニュアンスを持つ。深く丸みボリュームがあり、繊細なハーブの香りが後味にあり長い余韻を残す。

カラスミ、白子のフリット、スモークターキー、熟成チーズなどと。


【甘口シェリー】

Medium ミディアム

アモンティリャードにペドロヒメネスを加えた中甘口タイプ。

プルーンやドライフルーツなどの果実の芳醇な香りとコク。

気楽に甘さとフルーティな香りが楽しめる食後酒。

辛口や甘辛の味付けの料理。


Pale Cream ペールクリーム

フィノにモスカテル種ぶどうの果汁を加えて造る。

優しい口当たりと甘めの味。

アーモンドのように芳ばしく漂う香り、柔らかく心地よい。

新鮮なフルーツや焼き菓子などのスイーツ、辛口や甘辛の味付け料理。


Cream クリーム

オロロソにパロミノ種とペドロヒメネス種の果汁を加えて造る濃厚な甘さのシェリー。

レーズンやイチジクといった、完熟した果実を思わせる味わい。

スイーツやフルーツとの相性が良い。


Moscatel モスカテル

天日したモスカテル種のぶどうから造る天然甘口タイプ。

凝縮果実の風味と甘み、マスカットの香りが漂い、芳醇で濃厚な味わい。

本来持つ味わいを食後酒として優雅に楽しんだり、フルーツケーキなどのスイーツと合わせたり・・。


Pedro Ximenez ペドロ ヒメネス

天日したペドロ・ヒメネス種ぶどうで醸す天然甘口タイプの高級シェリー。

濃厚な果実の甘さに、爽やかな酸味、長く残る複雑で典雅が余韻。

素材の良さをそのまま優雅に楽しんだり、バニラアイスやメロンに掛け食後のデザートにも・・・・。


シェリーのカクテル レブヒート 

スペイン・セビージャで行われる春祭りで、夜通し陽気に踊ってたのしむためのカクテル「Rebjito(レブヒート)」。「割ったもの」という意味らしい、作り方はとても簡単!

氷を入れたグラスにフィノ(又はマンサニーリャ)と炭酸飲料7UP(CCレモンやサイダーでも代用可能)を注ぎ、ミントの葉やレモンのスライスを添えれば、暑い季節に美味しいレブヒートの出来上がりです。

お酒の弱い方でも楽しめます♪